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新潟日報を読んで〜 平成26年1月5日(日)特集記事から
2014.1.20
昨年11月17日、東京大学主催の「国家戦略としての在宅医療シンポジウムin柏」での、各国の在宅医療の現場の紹介のなかで、英国リーズの家庭医、富山県出身の澤憲明先生(33歳)の講演を拝聴することができました。
その澤先生が、偶然にも1月5日付日報の第7面に特集されていましたので紹介します。
ここで言う「初期医療」(プライマリーケア)とは、はじめの、という意味のほかに、とても大切な、という意味がある。「病気の治療をするだけでは根本的な解決にはならない。健康に生活できるよう全人的に患者を診るのがプライマリーケア(初期医療)の本質」と話されています。
病院では当たり前の実証を基にした医療(EBM:evidence-based medicine)(検査データに頼り切った)に対し、在宅では、その人の物語を聴き、対話する医療(NBM:narrative-based medicine)が必要になります。
医療制度の違い。
GP(general physician)とは家庭医と訳されますが、英国ではかなり尊敬される地位なのだそうです。
超高齢社会では、高齢者はいくつもの病気を持っていることは当たり前で、それぞれの病気を違った科の医師にかかることで、社会保障制度は破たんしてしまうことが容易に想像できます。総合的に診る医師、かかりつけ医がきちんと判断して、必要な検査が可能な病院など、その先を組み合わせていくことが必要なのです。
日本の保険制度は、どの医者にもみてもらえる優れた制度と胸を張るまえに、ドクターショッピングになっていないか、と我々かかりつけ医がその整理にあたる必要があるのだと思います。
最後に、今回の特集をみて、どれくらいの医師が気にとめたのか、在宅医療はある意味で災害、と位置付ける国の考え方に未だ気付いていない医師がほとんどではないでしょうか。
家でも病院でも死ぬことができない人が2030年には47万人と予想されています。
医療難民を救うのが在宅医療なのです。
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